アニメ・ゲーム感想日記

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『白昼夢の青写真』~全人類にやって欲しい神ゲー~(ネタバレあり)

今回は「白昼夢の青写真」のネタバレありの感想を語りたいと思います。

ネタバレが嫌な人はブラウザバックするかネタバレなしの感想を見てください。

『白昼夢の青写真』~全人類にやって欲しい神ゲー~(ネタバレなし) - ゲーム感想日記 (hatenadiary.com)

PC版とswitch版両方プレイしてからの感想なので両方プレイするつもりのある人は気を付けて下さい。

クリア後に会えることを祈ってます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからネタバレ開始

ある程度はネタバレなしでも語ったけどこっから深く掘り下げます。答え合わせみたいな部分はあります。

CASE-1~3、3つの独立した物語が世凪の過去の記憶を元にした書いた小説で、そのことを明かされるシーンは本当に衝撃的でした。この物語考えた奴は天才だろってプレイしてて思ったのは鮮明に覚えています。しかも複線回収の仕方が露骨な回想シーンをいれないことでプレイヤー側で想像できちゃう部分が物凄くいいです。しかも複線回収のために同じ構図のCGを採用することで世凪は今この時の気持ちを小説に書いて残したんだろうなーって想像できちゃうところがいいですよね。今回はその部分にスポットを当てながら感想を語っていきたいとおもいます。

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こっからはCASE別の評価、時系列的にCASE-3から書いた方が書きやすいのでそっちから書きます。

 

CASE-3

海斗と世凪の幼少期の思い出が詰まった物語。

幼少期の世凪は幸せだったんだろうなーってのがこの物語から感じ取れますね。

カンナくんの父親いい人すぎる・・・、こんなにいい親現実には絶対いないんだろうなー笑

後OP曲の「恋するキリギリス」女の子らしら全開で可愛らしいいい曲だなーってほんと思います。

印象に残ったシーンその1:カンナが初めてすももをカメラで撮るシーン

美しいCGに加えてカメラを撮る演出や効果音とかもよかった。カメラ詳しくない自分でさえいいなーって思うんだからカメラ好きな人にはたまらない演出なんだなーって思います。

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印象に残ったシーンその2:カンナの夢を否定せずさりげなく応援したシーン

自分がなりたいものを素直に応援してくれる大人のお姉さん、こんな人現実にいたら間違いなく惚れます笑そして速攻で玉砕します笑

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印象に残ったシーンその3:別れのシーン

CASE3だとここだけ同じ構図のCGが使われてますね。世凪の初恋の気持ちがよく表れてるなーって思いました。年上のお姉さんがデコチューするシチュ最高です。

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CASE-3総評

ボーイミーツガールというかこれぞ王道エロゲって感じで大好きな物語です。会話のテンポがいいので日常シーンでも中だるみしないのが素晴らしかった。

とにかくすももと梓姫の掛け合いが面白すぎる、別れのシーン以外までは終始楽しい雰囲気なのがまたいい。

他のCASEが暗い雰囲気なのでぶっちゃけ異色なんだけどその明るさが作品全体に明るさに繋がってると思います。

ハレー彗星が次回来る2061年に白昼夢の青写真の同志で語り合える日を楽しみに待ってます笑

 

CASE-2

ここからは青年期の海斗と世凪の物語。

オリヴィアは世凪の理想の理想像であり、好きな人に弱い自分を見せらせない弱さがあったからこそのすれ違いがあったのかなーって思います。認知症でいつか記憶をなくしてしまうかもしれないからずっと一緒にはいられないなんて、恋人であっても簡単には言えないと思います。自分の全てをさらけ出して相手が受け入れてくれるなんて保障ないですから臆病になるのは仕方ないと思います。

同じ構図のCGとして初めてのキスシーンとかウィルが小説を書くのを眺めるシーンがありますね。

初めてのキスシーンは奥手なウィル(海斗)にヤキモキしてオリヴィア(世凪)からキスするシーンがありますね。

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ウィル(海斗)に作家(研究)という才能あることに打ち込んで頑張って欲しいオリヴィア(世凪)の気持ちがよく表れていると思います。

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印象に残ってるシーンその1:酒場で「真夏の夜の夢」を演じるシーン

最高に笑えました、トーマスの演技面白すぎるwww

後switch版だとチンチンって単語聞けないので寂しいです(当たり前)。

チンチンってなんだっけ!?

PC版

switch版

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印象に残ったシーンその2:ウィルがオリヴィアを抱きしめるシーン

このシーンはオリヴィアがスペンサーにレイプされた後のシーン、好きな人に自分の弱さを見られ、オリヴィアは自分が穢れているからウィルとは一緒にいられないっていう拒絶するシーン、CASE-0で世凪が海斗にアルツハイマーだからずっとはいられないから別れを告げるシーンと同じCG構図であるため、この時の気持ちを小説に残したんだろうなーって思うと涙がでます。

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印象に残ってたシーンその3:ロミジュリ完成のシーン

ウィルたちが牢獄の捕らわれた後にロミジュリを完成させるシーン、冷たい壁の向こうにってCASE-2のOP曲名の通りで泣けますよ。

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後はロミジュリを実際に演じるシーンも敢えて線画のみで表現してたのも趣きがあって良かったかなって思います。

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印象に残ったシーンその4:お別れ前のピロートーク

ここのCGは追加CGなんだけどオリヴィアとウィルの別れるのは分かっているんだけど別れたくないって言葉には出さない場面、ここって世凪が思考実験のために初めて深い眠りについた後のシーンと一緒なんですよね。

自分の身に何が起ころうともオリヴィアはウィルに作家を、世凪は海斗は研究を続けて欲しいって気持ちが見事にマッチングしてそれに気づいた時には感動しました。

本当は一緒にいたいけど、ずっと一緒にいられないのは分かっているから、弱い私を見せないで強い私を見せて彼の夢を応援している姿に涙が出ます。

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CASE-2総評

テンポよく問題を解決しては新しい問題が起きてって感じで中だるみがなくいい感じに纏まっている作品だなって思いました。

ギャグとシリアスのバランスが素晴らしかったです。

かなり高クオリティの作品だと思います。

 

CASE-1

このお話は圧倒的に地の分が多くて、ノベルゲーらしい掛け合いが殆どないのが印象的でした。

普通地の分が多い小説って途中で飽きちゃうんだけど引き込む文章力に加えて、ノベルゲーの長所を生かしたCGやBGMなどを駆使して上手く表現できてると思います。

凛ちゃんエロすぎる!あんな妖艶な目で見られたら溜まったもんじゃないです。有島が不貞に走るのも当然というか仕方ないね笑

特にお気に入りはPC版のおまけHシーンで制服足コキがエロすぎてこのためにPC版買って良かったと思います。


印象に残ったシーンその1:凛が秋房の部屋で助けてって言ったシーン

CASE-1前半のラストシーンですね、凛は母親に捨てられ、父親には見捨てられ孤独になった少女、今まで誰にも愛されたことがないことを有島に告白するシーンですが、この時凛は父の呪いと言ってますが、夜凪に置き換えると父から遺伝したアルツハイマーという病という呪いが自分を苦しめている感情を表現してるんだなーって思いました。

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印象に残ったシーンその2:桜木町のデートシーン

このシーンは是非switch版でプレイして欲しい!!

結構加筆されているのは勿論なんだけど、追加CGが素晴らしくてCGあるのとないのだと結構違うなーってプレイしてて感じました。桜木町にいつか行ってみたいですね。

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印象に残ったシーンその3:有島が自殺未遂をするシーン

桜木町のデート時に凛に酷い言葉を投げかけてそっから自暴自棄になるんですが、引き込まれ方がヤバくて冷静に考えたらそうはならんやろって思うんだけど、プレイ中は何も違和感なく有島の破滅願望思考に引き込まれて行きました。ここの文章力は本当に素晴らしいなって思いました。

後シャワーヘッドの演出も良くて、無機質な物が淡々と世界の絶望を押し付け死に追いやるシーンは迫力があったです。

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そこから凛の1通のラインが有島を絶望から救うんですが「会って話がしたい」とかありふれた感じではなく「何点ですか?」っていう凛らしい負けず嫌いな可愛い一面で有島の心を絶望から引き上げるところが素晴らしかったです。

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印象に残ったシーンその4:1回目のHシーンの演出

物語序盤で有島が祥子をレイプするシーンがあってその後凛と結ばれてるんですが、その時にHシーンの演出(switvh版)が左手だけ移っているんですよね。1回目のプレイの時は気づかなかったけどよく見るとレイプシーンだと結婚指輪を身に着けてるんですが、凛と初Hの時には結婚指輪外してあるんですよね。普通に読んでたら気づかなくて設定資料集で説明されててエモいなって思いました。こういう細かい演出が素晴らしい作品だと思います。

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印象に残ったシーンその5:凛とのお別れシーン

2週目にPC版をプレイした時にずいぶんあっさり別れたなーって印象だったんですが改めてswitch版をプレイしたら新規CGあって凛ちゃんが母性に目覚めるシーンが丁寧に描かれていてよかったです。

女子高生のお腹に赤ちゃんがいて相手が教師でしかも周りに相談する人がいないってなるとそういう別れになっちゃうのは仕方ないなーって思う部分あるけど愛し合ってる人達とはちゃんと大事なことは話し合えよとは思います笑。ここは凛(世凪)の心の弱さを上手く表現できてるなって思います。

現実でコレ起きたら一生モノのトラウマですね笑

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CASE-1総評

多すぎる地の文、キャラクターの掛け合いも少ない、ノベルゲーというか純文学でも読んでるような気分になりました。

ノベルゲーでは珍しい形だと思うけど、音楽やCGなどを使ってプレイヤーを引き込む文章力は流石だと思ました。

その分緻密な心理描写が凄くていい感じの作品になってると思います。

 

CASE-0

幼少期、青年期、壮年期で分かれているのでそれぞれ感想を。

幼少期

海斗の人生不幸すぎる・・・。自分が頑張って作った発明品(車)を上層民(シャチ)に壊され、次は母親と鳥さんを同時に亡くして・・・、どんだけ人生どん底だよって感じ、下層という過酷な環境の中に世凪という太陽がいたら惚れます、うん。

海斗のママは海斗が学校に行き始めて世凪という友達を見つけて成長していく姿を見て自分がいなくなっても大丈夫だと思ったから基礎欲求欠乏症の症状が悪化しな亡くなったんだろうな・・・。

シャチの死に関しては基礎欲求欠乏症が急激に進行し死んでしまったと解釈してます。ママや世凪はこの世界にささやかな幸せを見つけたため進行がゆっくりでしたが、シャチの場合は地上に出たことにより承認欲求が急激に満たされたため急激に進行しためかと。SFなんで細かい設定とかは個人的にはあんまり気にしないようにしてます。アルツハイマーが未来でも治療法が見つかってないのも、基礎欲求欠乏症が解決できていない問題であったり遊馬が仮想空間を完成できていなかったと同じで人の体の全てを人間は理解できなかったと解釈してます。さっきも言ったけどSFなんで明らかな矛盾点がない限りそういうものなんだなと解釈してます、個人的に。

幼少期の問題点として下層の過酷さがそんなに感じなかった点ですかね。海斗の境遇に関して言えば不幸のどん底だけど。匂いが分からないのは仕方ないけど、背景とか海斗の家とか奇麗すぎて普通に下層の生活だけでよくね?って思います。働いたらちゃんと食料貰えるし。スラム街とかで犯罪とか殺人とか起きてる環境なら分かるんですけど新宿の街は綺麗すぎて勿体なかったって思います。そこらへんが海斗がどうしても中層に上がりたい理由が分かりずらくって青年期で世凪と喧嘩するんですが海斗に感情移入しにくかったなーって印象です。上層、中層、下層っていう身分制度があって社会が競争を促しているのは頭では理解できているけど実感しにくかった点ですね。

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このシーンあえて遠くから描写されてるのが趣きあっていいですね。

 

青年期

研究員になって世凪に中層に上がることが決まって報告するも喧嘩になるシーン、幼少期のところでも言ったけど何回読んでもここの部分は感情移入できん。海斗側の言い分も分かるんだけど、世凪は何度も下層の生活でも幸せって言ってるのに海斗が盲目的で世凪の話を聞いてなかったのがそもそもすれ違いの原因だろって思ってしまった・・・。海斗的には絶望的な状況(ママの死などの経験)から這い上がるためには中層に上がるしかないんだろうなって分かるんだけど・・・。壮年期の話にも繋がるんだけど己のエゴで身近な大切なもの(世凪)をなくしているから完全に自業自得やなって思いながら読んでました。CASE-3で大切な物は身近にあるってアンナが教えてくれたはずで、海斗はその小説読んでるはずなんだけどな・・・。

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やっぱりこのシーンいいですよね、忘れてしまう彼女と忘れられない彼、だからこそ結ばれたのかなと思います。

 

壮年期

遊馬が世凪の脳にメスを入れるという非人道的行為を知った時の衝撃はヤバかったですね。ただでさえ記憶退行が起こってるのにそこに追いうちをかけるとか・・・。

世凪に感情移入しすぎると遊馬絶対に許さねえって思うんですが、仮に自分が遊馬の立場だったらどうするのかってのを考えた時になんとも言えない気持ちになりました。倫理的には完全にアウトだけど遊馬の言い分も分かるって個人的には思ってます。だからこそ海斗の「許しはしないが、恨みもしない」ってのはすとんのと自分の胸の中に入っていきました。遊馬の回想はちょっと長すぎだろって内心思ってますけど。

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自我を失った後の世凪の演技はほんと凄かった、流石浅川悠さん。自分のことなのに他人の記憶を見せられたら感覚だとこんな感じになるんだろうってリアリティを感じました。

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最後の展開は正直予想通りだったけどこのぐらい王道の方がいいと思います。

最後の生き方ぐらい自分で決めたいよな、人間なら誰しも。

 

幸せのエピローグについて

蛇足でいらないって人の意見も分かります。確かにPC版だと蛇足感強くてアレなんだけどswitch版だと加筆されており里桜の笑顔が見られただけでよかったんじゃないかなと思います。オリヴィアとの再会シーンだけはどうにかならんのかって思いました。作品の余韻だけを考えるといらないのも分かるんですけど、個人的にはあった方が作品全体が明るい感じになるのであってよかったと思います、ハッピーエンド至上主義者じゃないけど。個人的に幸せエピローグはIFストーリーぐらいの感覚に思ってます笑

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アルツハイマー認知症について

SF作品でありながら現代の疾患でもアルツハイマーに焦点を当ててて非常に興味深いテーマだと思いました。

個人を形成してるのは記憶であり、その記憶が無くなったら果たして同一人物と言えるのか、深く考えさせられるものになってました。

仮に自分の身の回りの人がアルツハイマーになり全ての記憶を失ったとすると、果たして記憶を失う前と同じ感情でいられるのかなって考えさせられます。

単に世凪と海斗の純愛ストーリーだけでなく、こういう身近にあることまで深く考えさせられる素晴らしい作品だと思います。

 

CASE-0全体の総評

初めてプレイした時は本当に衝撃的でした。この物語を考えた人は天才です、間違いなく。物語の構成と世界観による完成度は最高傑作といってもいいほど完成度が高いものだなって感じました。細かいところに目を向けると疑問はあるけどそんなことは気にならないぐらい素晴らしい作品です。

 

全体の総評

今までの人生の中で一番素晴らしいゲームだと個人的には思ってます。人に金を払ってもやってもらいたい、そんなゲームになってます。この感動を一人でも多く知って欲しいですね。CASE-0が素晴らしいのはもちろんなんだけど、CASE-1~3それぞれがハイクオリティなのが評価高いポイントですよね。4つの物語があれば人の好みが違うとは言えどれか一つは必ずハマると思ってます。そこが全体的に評価が高いポイントなのかと思います。

7/29の朗読劇滅茶苦茶楽しみだし、さらにそこからアニメ化なんて…、なんて期待もしてます。

全人類にやって欲しい神ゲー「白昼夢の青写真」、この素晴らしい作品に出会えたことを感謝します。